終焉の夜明け


「それに柚樹ん家、アタシと真逆。

だから気にしなくて大丈夫だよ」




アタシはにっこり笑って、
柚樹を見据えた。



「またね、柚樹」





そう言ったら柚樹は
ちょっとだけ寂しそうに笑った。




「また、な。乃衣、送れなくてごめん」



「気にしないで。柚樹も明日大学でしょ」




柚樹はまったく、良いヒト過ぎる。

"こんな"アタシに優しくしてくれる。




だから、柚樹を
困らせたくない。

迷惑かけたくない。


< 41 / 143 >

この作品をシェア

pagetop