終焉の夜明け



確かに来てくれて
恐怖心がなくなったのは

確かだけど……。




それでも素直に
“ありがとう”って言えないアタシは

マジでひねくれてる。





「おい、乃衣!!
ヒトの足踏んでんじゃねぇーっ」



追い付いてきた純は
ちょっと声を荒らげた。



「うっさい。黙って帰れよ~」



「だから、送ってやるって!」


「要らないー」




まったく、純は柚樹と違って
めちゃくちゃしつこい。



柚樹は、こんなふうに
自分の意見押し付けて

アタシを困らせたりしない。



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