終焉の夜明け



柚樹はいつだって


アタシの面(つら)を立てて
アタシを尊重してくれた。




それに比べて純は――



「しつこいってば!

アタシ歩いて帰れるからッ」



ウザくなって、純に叫んだ。



けど、ムキになるのがいけなかったのか、

純は"ムッ"としたカオをして
単車を止めた。



アタシは構わず"ずんずん"歩いたけど、

すぐに手を捕まれて
ストッパーをかけられる。




「もう! なんなの!?」



なぁんて、反抗した刹那。




後ろから、腰に腕が回されて
アタシの体は"ひょいっ"て

30センチぐらい浮いた。


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