終焉の夜明け
そう、思ったとき――
「純さん、ノエルさぁん~」
パァパァッ、とクラクションを鳴らして
アタシ等に横付けしてきた
フルスモの一台の車。
ピカピカに磨かれた
ホワイトのそれ。
窓を全開にしてカオを覗かせる、
アタシ等の名を呼ぶの男は……。
「波瀬(はぜ)ーっ?」
アタシは、助手席に見えた
特徴的なライム色のメッシュから、
その名を持つ男を
連想できた。
波瀬は“当たりッス”と
嬉しそうに笑うと、
窓を三分の二ぐらい閉めて
警察(ポリ)や野次馬に
顔写真撮られないよう
備えていた。