終焉の夜明け


思い返せば、片瀬3きょうだいと
初めて出逢ったのは
小学6年生の頃だった。





最初に逢ったのは柚樹。


『俺、柚樹な。片瀬柚樹』


リングがはめられてゴツゴツした
右手を差し出してきた彼。



『アタシ、汚いから
触んない方が良いよ』



そんなこと吐(ぬ)かして
決して握らなかったその手。

いまはこれ以上にないってぐらい
大好きな宝物。





その次は、愛樹。




『柚樹くんの机に
飾ってあった子だっ』



コンビニに里緒と純と
たむろってたアタシに
愛樹は抱きついてきた。




"飾ってあった"って言われて
よく分かんなかったけど

"写真"ってことは
何となく分かった。


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