終焉の夜明け
メールはずぅっと続いてる話の続き。
正直、いまコレに
返信してる暇なんてない。
けど、シカトするのにも
なんだか気が引けて。
『もしもし?』
ワンコールで出てくれた
柚樹の声はいつもより低い。
昨夜の酒と徹夜で
ガラガラ声になったのかな。
「声、大丈夫?」
『平気。てか電話とか
なんかあったの?』
「あぁ。もう学校出る時間
過ぎてるから、
メール打つ時間すらダルい」
そう言いながら自転車にまたがると
電話の向こうから
クスクス笑い声がした。
『なら、シカトしてくれて良かったのに』
“乃衣って変に優しいよな”と
柚樹は微笑む。