終焉の夜明け
はやく里緒達と合流したい。
だから用があるなら
さっさと終わらせて。
そう思いながら自分の爪を
いじりながらため息をこぼした。
「……俺のこと、分かる?」
「知らない」
彼はがっかりしたように
肩を落とした。
でも、次の瞬間──
彼の態度は一変。
ダボダボのジャージのポケットに
手をいれて、腰を少し落とす。
ニヤリと笑う彼は……
ゾクリ。
なぜか鳥肌が立った。
反射的にあとずさって
逃げ出そうとすれば
肩をがっしり掴まれて
ギラリと光った目が
目の前にやって来た。