終焉の夜明け
────樹梨と仲良くなったのは
中学一年の頃だった。
今みたいにイキって
夜遊びばかりしてたアタシに
絡んできたのは
近所のバカ男子校の
学ラン着た底辺のクズども。
力で捻りあげられた腕では
どうにもならなくて
ただ悔しく、
アタシは捕まっていた。
そんなとき、彼女は
奴等を一発で沈めて
助けてくれたんだ。
彼女は、闇夜を走る
"走り屋"だった
水色の単車に
黒系の露出が高い服。
金色の髪に真っ赤な紅。
笑顔で、くねくね蛇行しながら
走るその様(さま)は
まるで空を気ままに飛ぶ
アゲハ蝶のように、
綺麗で、美しくて。
ついたあだ名が“夜蝶”。