終焉の夜明け


アタシ達は顔を見合わせ目を開けると、
弾かれたように勢いよく立ち上がる。





パンッ――



頭上で交わされた手のひらは、

小気味良い音を立てて、
楽しそうに鳴る。




ニィッ、と弛(ゆる)んだ
互いの口元に満足そうに頷き――




「純ちゃんと!」

「リューだねっ」



テンポよく発せられた声は
駐車場へ響き、




その声とほぼ同時のタイミングで、

真っ赤なスポーツカーが
駐車場へ侵入した……。



< 9 / 143 >

この作品をシェア

pagetop