終焉の夜明け



「コイツが、乃衣に
手ぇ出したんだけど」



「は?」





樹梨がサラリというと、
愛樹は短く唸(うな)る。




「……別に、何でもない」



"ヤられかけた"って事実が
なんだか恥ずかしくなって。


"そーいう"生々しいのを
大事にしたくなくて……




アタシは、そっぽ向いて
小さく言う。





「襲われたくせに強がんなよ」




けれど愛樹はそう言うと……







その時、“夜樹蝶”の
兵隊が集まってきた。



愛樹が集合かけたのか
樹梨が呼び出したのか

わかんないけど、



単車や車が、アチコチから
集まってくる。




なんでもない、国道の
歩道なだけにそこは広くて


歩道を我が物顔で、
みんなが走ってくる。







――――ウゥーッ!!




しかし、警察(ポリ)も早い。


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