終焉の夜明け
「――神野さんっ?」
翌日の夕方。
いつも通りコンビニにいると
昨日、樹梨に沈められた男。
当たり前のように無視(シカト)。
ケータイ開いて彼は視界から
抹消して、平然を装っていた。
「無視? ……またちゅーしたら
こっち見てくれるかな?」
「……また樹梨に沈めてもらう。
今度やったらリンチにするから」
画面から一瞬だけ視線を変え
彼を睨み付けると、大袈裟に
ビクリと肩を跳ねさせた。
やっぱりそれを見ると、彼は
ただの"一般人"にしか見えない。