極上シークレット
ユートはため息交じりにスプーンでコーヒーを掻きまわした。
「ユマちゃんってホント強がりで。織部が頑張ってるからって、イヤガラセの事も言わなくて、本当は会えなくなってすごく寂しいってのもいわなくて・・・アイツと会う時はいつもにこにこしてたみたい。・・・そいうの、横で見てるだけの俺には堪えた。」
そう言ったユートの顔は本当に苦しそうだった。
「ユマちゃん、相当弱ってたんだろーな。あの日はホント、間が悪かったっつーか・・・」
『私・・・先輩のコト好きになればヨカッタ。』
って。
それまで我慢し続けていたユマの小さな小さな泣きごと。
話を聞いた後なら分かる、ユマの気持ち。
本当に先輩を好きになればヨカッタと思ってんじゃなくて。
会いたいって思った時に会える距離にいて、苛められたら助けに駆けつけてくれるのが、イブキだったらヨカッタのにって。
そう思ったんじゃないかな。