極上シークレット
慰めて?
コンサート会場で雑用をこなしながら何度となく時計を見る。
もう、映画、終わったよね。
イブキ・・・どーなったかな。
そんなことを思いながら小道具の詰まった段ボールを抱えて控室に行くと、鏡に向かっているイブキの姿が目に飛び込んできた。
鏡越しに目が合って、イブキがすっと目を眇める。
「このお節介。」
あちゃ・・・
やっぱ怒ってるか。
元カノと一度話してみたら?なんて言っても素直に従うはずないと思って、入れ替わり作戦なんて企んだんだけど。
ハッキリ言って、だましたアタシは悪役だ。