極上シークレット
途端、イブキが無表情で固まった。
「オマエさ・・・まさか自分がか弱いとか、図々しい勘違いしてんじゃねーだろーな。」
「はーっ!?女の子だもん、どこをどう見てもか弱いでしょーがっ・・・・って、え?」
お約束とばかりに言い返したけど。
・・・え?
あれ?
ちょっと、待って。
なんか、その言い方じゃ、イブキの語った『強いオンナ』って、アタシみたいな言い方じゃん・・・?
まさかね・・・と、イブキの顔を伺って、思いのほか真剣な眼差しに動けなくなる。
「オマエ、自分の事になるとミラクルに鈍感だよな。・・・だからちゃんと言っといてやったじゃねーか。立候補するって。」
「は?立候補?・・・・選挙にでも出んの?」
トンチンカンな事を思ったアタシの脳裏に兄ぃの誕生パーティーの時の会話が蘇った。
あ・・・アタシの・・・恋人、候補?
だってあんなん、単なる冗談でしょ?
てか、強いオンナって・・・・まさか本当に、アタシのことなわけ?