極上シークレット





「ゴメン。」




門に手を掛け、カザミがアタシを振りかえる。





「本当はさ、闘いたかった?」


「意味不明。」



切って捨てたアタシに対し、カザミは少し困ったみたいに頭を掻いた。









「アンタならユマさんと戦うのかな、とか・・・。」







アタシは拳をぎゅっと握った。




あの時、アタシは戦えなかった。



ユマの存在に臆してイブキに「帰ろう」って言えなかった。
< 288 / 312 >

この作品をシェア

pagetop