極上シークレット

「イッタァ・・・!ちょっと、どこ行くの、職員室―――」


近くの階段の影まで引っ張って行かれた。

壁に押し付けられて、顔の横にドンと腕がつきたてられる。

見詰めるイブキの顔は怒ってるみたいに怖い。





「あんま男舐めてんなよ。やろうと思えばオマエぐらいどうとでもできんだよ。」




確かにこんな風に間合いを詰められて、腕を掴まれてる状態じゃ身動きとれないケド・・・。





「いくら表面上イイヤツを取り繕っても男は豹変する生き物だってのを覚えとけ。それにここは役者や猫っかぶりがゴロゴロした場所だからな。」


「・・・じゃあ、さっきのヤツも本当は悪いヤツだったっての?」


「そうだとは言い切れねぇけど、そうじゃないとも言いきれねェってコト。立場があるからイイ顔してても内心はシーズンの人気を妬んでるヤツだって必ず居る。」




じゃあ、表にいた女の子達みたいにあからさまに嫉妬剝き出して睨んでくるヤツより、

親切ごかして近づいてくる面の皮の厚いヤツのが、よっぽど危険なワケだ。




・・・・面倒くさい場所。



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