極上シークレット

「スミマセンッ、遅刻しましたッ!」



ばんっと扉を開けて潔く頭を下げる。


中にはメンバーの他にスタイリストさんとか見知らぬスタッフさんが数人いた。



「君、今日から入るって雑用の子?バイトだからって仕事舐めちゃ、こ・ま・・・・る」



段ボールを抱えて室内を忙しなく横断しようとしたスタッフさんが説教もそこそこにアタシを凝視し、ポカンと口を開ける。



「スミマセンでした・・・・ってか!!古山クンッ!!アンタ、このパス本物!?擦れ違う奴等に悉く止められたんだけど!!」




あいっかわらず霞みみたいにフラフラ室内を彷徨っているようにしか見えないマネージャー・古山クンを見つけて、早速文句を言う。





言い訳じゃないんだけどっ、




そのおかげでかなり時間喰ったのは事実なんだもん。
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