極上シークレット
その中、一人、我関せずと言った顔で中に入ったイブキ。
「どーでもいいし。それよか、そろそろ仕度した方がイイんじゃね?」
その言葉にスタッフさんが呪縛を解かれたように忙しなく動きを再開する。
「じゃ、えと・・・ハル、ちゃん?そこの段ボール運ぶの手伝ってくれるかな。」
「はーい。」
スタッフさんに言われた段ボールを抱えてイブキの後ろを通り過ぎようとした時。
鏡越しににやっと笑ったイブキと目が合った。
「おー。身を粉にして働けよ、馬子。」
「は?ナニ馬子?」
「じゃじゃ。」
はーっ!?
アタシがじゃじゃ馬!?
死ネ、イブキッ!!
ぷいっと顔を背けるだけでは我慢成らず、アタシは歩き出しながら後ろ蹴りをお見舞いしといた。
「馬女だからって足くせ悪ぃぞっ、オマエッ!!」
は?何のことやら?
アタシは喚くイブキを無視して、仕事に精を出した。