極上シークレット
丁度良く止まっていた電車に飛び乗り、ズキズキする胸を押さえながら、息を整える。
アナウンスが流れて扉が閉まる直前――――
「てめぇ~・・・・付き人の分際で俺置いてくなよッ!」
背後からポールを掴む腕。
ゼイゼイと肩で息を吐きながら文句を言ったのは
―――イブキ。
「・・・・へ?なんで?」
「は?付き人ってのは俺について回って、至でり尽くせり世話すんのが仕事だろーがよ!つか、俺を置いてくのがそもそもオカシイんだろっ!」
「そーじゃなくて!!・・・彼女・・・なんか話す事あったんじゃないの?」
表情を伺うようにイブキの貌を見る。
イブキはちょっと押し黙って、視線をそらした。
「ねーよ。元カノだっつってんだろ。」
「でもさ・・・」
アンタ、別れてもまだ未練あるんじゃないの?