極上シークレット
「ねぇ、兄ぃ」
アタシはむくっと起き上がり、風呂から出てきた兄ぃを呼びとめた。
「なんだ?」
「アイツって、どーしてあんな軽薄なワケ?」
「んあー?ヤリタイ盛りだから?」
兄ぃは冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターのボトルを煽りながら、生返事。
「昔の女に二股かけられたからでしょ?」
兄ぃはちょっとだけ驚いたような顔でアタシを見た。
「・・・なんだ。知ってたんかよ。」
「今日、そのオンナと偶然会ったんだよね。コンサートの前にさ・・・」
「ああ・・・それで・・・」
兄ぃもイブキのミスのコトは気にしてたみたい。
説教するようなモンでもないけど、イブキがメズラシイな、て。