極上シークレット
実際、忙しくてフツーのお付き合いは難しくて。
でも別れないのは
イブキがアイドルだから。
・・・まぁ、見た目も悪くないし?
切り捨てるのは惜しいって、彼女が思ってるんじゃないかって。
「アイツの女遊びが激しくなったのはそれから、だな。」
兄ぃが溜息を吐いて、ソファーに仰け反る。
「気持ちは分からんでもねーけど、自暴自棄なの見てて痛々しいし?何より、仕事には致命的だからなー。」
そんなことをぼやく兄ぃをじっと見詰める。
「アイツ、この仕事向いてっし、何よりアイツ自身好きなんだろー・・・練習にしろ何にしろすげー頑張ってやがんの。下積みない分、他の奴等に追い付こうってのもあんだろーけど、それだけじゃねぇよ。単純にタノシイんだよな。」
「それはさ・・・兄ぃも一緒でしょ?」
兄ぃが眼だけをアタシに向ける。
アタシはその目を見返すことが出来なくて不貞腐れたみたいな顔で視線を反らした。