夏の空に
その日からずっと春幸くんは不機嫌だった。


朝も夜も。


「春幸くん。仕事で何かあったの?」


ある日の夜、聞いてみた。

「は?別にないけど。俺来週から遠くで仕事しなくちゃだめだから家にしばらく帰れない。」


「わかった。」


いや、私はわかっていなかった。この、『遠くで仕事』の意味を。
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