超短編 『夢』 7
夫婦
俺は夢を見ていた。

なぜ夢を見ているか判ったかというと、夢の中の俺は女になっていたからだ。

しかも、最悪な事にその女というのは、自分の女房だった。


だが、自分が女房にどう見えていたか、興味もあった。

俺は、つまり女房になった俺は、俺、つまり夢の中では旦那に朝ご飯を作っていた。

ややこしいから、女房になった俺を私、夢の中の俺を旦那と呼ぼうか。



私は化粧もせず、旦那の朝食を作っていたら、いきなり旦那が隣にやってきた。


「今日の朝飯はなんだ」



嫌だわ。



明け方まで飲んでいたのかしら。



酒臭いわね。



俺は俺の事、酒臭いだといっている。

変な気分だな。

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