超短編 『夢』 7
夢の中でも、腹が減っている。


飯を食おう。


ムシャムシャ、、、。

ズルズル、、、。




私は旦那が食べるのを見て、こんな男と結婚したことを後悔し始めていた。


こんな汚い食べ方をしているとは、思わなかったわ。

自分のことながら、人の目から見るといやなものね。



良く女房が我慢をしていてくれた。



「お茶をくれ」



「はい」





「うまかった」


「ねえ、あなた。私と別れてくれないかしら」





「なに言っているんだ」


「だって、自分ながらに自分が嫌になったわ」





「俺だって、自分だとわかっている女を女房にしたくはない」


「なら、ここにハンコ押して」



「ああ、いいさ」



どうせ夢だし、女房の私も、旦那の俺も、自分であることには変わりがない。


朝になり、目が覚めれば、夢のことなんか忘れているだろう。

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