『若恋』榊の恋【完】
若はきっと彼女を巻き込んでしまったことに責任を感じてる。
そんな気がした。
「その制服だと西高ですね」
「はい」
「名前聞いてもいいですか?」
「…天宮、りおです」
苦痛に耐えながら彼女は小さく答えた。
―――!!
名前を聞いた途端、全身に電流が流れた。
封印していたその名前を。
「りお」
その名前は、自分が学生の時に失った家族の名前だ。
動揺してるのを誰にも気づかれてはいけない。