『若恋』榊の恋【完】
もう誰が何を言おうが離さない。
ひかるちゃんという花は自分のものだ。
「―――ひかるちゃんが、好きです」
声に出したらもう。
想いは止まらない。
「ひかるちゃんが好きです」
「…榊さん」
「もう自分の気持ちを誤魔化しません」
「榊さん…」
腕の中でひかるちゃんが目を真っ赤にさせて顔を上げた。
その瞳にくちびるを寄せる。
「何度だって言います。わたしはひかるちゃんが好きです」
ぶわっ
ひかるちゃんの瞳から溢れ出す美しいもの。
涙にくちづけた。
「ひかるちゃんが好きです」