『若恋』榊の恋【完】
ますますわけがわからないようで顔を更に赤くした。
「特別補習してる間にひかるちゃん寝ちゃったんですよ。だから迎えに行ってベットに寝かせただけですよ」
さらりと告げると、ひかるちゃんはなんの疑いもなく舌を出して恥ずかしそうに笑った。
薬を飲まされて眠っていたとは気づいてなかった。
頭の重さを訴えもしない。
―――それならば
若佐がしようとしたことをひかるちゃんに話して動揺させることもない。
「ぐっすり眠ってましたよ。あんまり起きないので襲ってしまおうかと思いました」
半分は本気だった。
いたずらに笑う。
「そんなに寝てたの?」
「今はもう9時半過ぎましたよ」
「ええっ?そんなに寝てたの?通りでお腹が空いて」
ひかるちゃんが花が咲いたように笑みを溢した。
「わたしが作りましょう」
「待って榊さん」