『若恋』榊の恋【完】


捕まえられそうで捕まらない。


「待てって!」



公園を囲んでいるパイプ柵をひょいと飛び越し歩道に出た。



一足早く道路を横切ろうとする里桜が周りも見ずに車道に飛び出した。




「きゃあぁぁっ!」




悲鳴をあげたのは誰だったか?

今となっては里桜が上げた声だったのか、自分が叫んだのか、マイミが叫んだのかは記憶が薄い。






「ガシャン」








< 19 / 440 >

この作品をシェア

pagetop