『若恋』榊の恋【完】



「ひかるちゃんが羽織ったのを直して帯を結ぶだけですよ」

「え?あ、えっと。うん」


ひかるちゃんは正直だ。
まともにひかるちゃんを裸にして着せるだなんてできない。

心臓に悪い。



「これでいい?」

一通り羽織って形になっていたひかるちゃんの腰ひもを結び裾を引き型を整えた。

「襟を引きますよ」

「うん」

襟元をすっきりと仕上げてそれから帯を当てて引き結んだ。



「…榊さん、帯も結べるんだね。すごい」

「いや、これは意外に簡単なんですよ。わたしも浴衣を着るので5分ほど待ってください」



ひかるちゃんの持つ巾着袋に財布と携帯、小物を入れるように話して寝室で浴衣に着替えた。




「―――榊さん、格好いい」


ひかるちゃんが見惚れている。

そんなひかるちゃんを見たら抱き締めたい衝動に駆られた。



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