『若恋』榊の恋【完】
痛さは自分だけが与えられるもの。
ひかるちゃんの初めてが自分のものでありたい。
―――ほしい
ひかるが欲しい!
他の誰でもなく、ひかるがほしい。
「もう迷いません。
力を抜いて、深呼吸して」
ひかるが深く吐息を吐いた瞬間に、
ぐっ。
腰を打ち付けた。
「!!!」
体から、表情からひかるの悲鳴が聞こえた気がした。
「バリッ」
「、っ、」
一気に細い道を突き抜けて最奥へと届く。
はあはあ。
全身を震わせて涙目をしてひかるが荒い息を小刻みに吐く。
体を深く沈めたまま、腕の中で脈打ってるひかるを抱き締めた。