『若恋』榊の恋【完】



滅茶苦茶にしてしまいたい。
壊してしまいたい。

その反面触れてもいけないと思った。




体を沈めたままひかるの震えが治まるのを待つ。



「ひかる」

「…大丈夫」


律動を始めるとひかるの破瓜の血が吹き出した。



「…やめないで…、…っ」



背中に腕を回して必死でしがみつくひかるを全身全霊で愛する。

自分の浴衣も乱れて半分脱げていた。



「っ、」


今すぐにでも昇天しそうだ。



「―――ひかる」






ひかるのしがみついた指先が背中に爪を立てた。


「っ、」


律動は激しくなり、そしてひかるが力を失い、しがみついていた指が離れた。


ドクンドクン

脈打つものを引き抜いた。




「ひかる」



―――今夜ひとつになった。



女になる儀式を終えて、ひかるが自分のものになった。


太ももに流れ出る鮮血。



< 217 / 440 >

この作品をシェア

pagetop