『若恋』榊の恋【完】
気がつくともう日は高く上がっていた。
かなりの時間眠っていたらしい。
一晩中腕に抱いていたひかるが先に目を覚まして顔を真っ赤にしている。
「ひかる、おはよう」
額にくちづけるともっと顔を赤くした。
「体は大丈夫ですか?」
肩に掛けてある浴衣を引っ張り顔を隠すようにして恥ずかしそうに頷いた。
「なら、よかったです」
額に口づけをしてゆっくりと辺りを見回す。
乱れたシーツの上に昨夜のひかるの花を手折った跡が点々とついていた。
昨夜の映像が頭に浮かぶ。
ドクン
血が体の中心に集まっていく。
それを理性で鎮めて布団の上に身を起こした。
同じく身を起こしたひかるに浴衣を羽織らせ後ろから抱き締めた。