『若恋』榊の恋【完】
自分にすべてを預けてくれたひかるをいとおしく思う。
「ひかるが好きです」
「…わたしもだよ」
抱き締めているその小さな背中から声がした。
回した腕をキュッと握り返す細い指もいとおしい。
「誰にも渡しません」
「…うん」
「ひかるが好きです」
「…うん」
「ひかるを愛してる」
「うん。わたしもだよ」
…―――どのくらい
そうしていただろう。
ひかるの初めてをもらった夜の余韻を抱き締めていた―――