『若恋』榊の恋【完】
わかってる。
自分も弱い。ひかるも弱い。ふたりとても弱いのだ。
だから寄り添っている。
「俺だけを感じろ」
「あ、」
ひかるが甘い声を必死で押さえて飲み込む。
口を押さえた手を広げさせてくちびるをくちづけで塞ぐ。
ひかるの奥まで舌を絡める。
「ひかる」
交わしていた息が甘さを増してくる。
「―――すき」
何度もひかるが告げる。
「榊さんが好き」
「ひかる」
触れていたところが艶を増して指に吸い付く。
「ほしい、ひかるが」
キュッとしがみついてくるひかるが微かに首を振った。
「あ、」
「首に腕を回してろ」
「んっ、」
「我慢するな」
キツイ内にゆっくりと身を沈める。
「痛い、か」
ひかるの奥が返事をした。
ギュッと締まる。
ひかるの目から涙が溢れて落ちた。