『若恋』榊の恋【完】



「下手に動かないほうがいい。天宮の可愛い顔が切れる」


やあっ!


先生が屈んだかと思ったら首筋に先生が噛みついた。

チクッと痛みが走り悲鳴を上げる。


こわい。
嘘だ。夢見てるに違いない。痛い…
全身に下から這い上がってくる寒気。吐き気まで込み上げる。



「他の男のものになる気分はどうだ?」


いやっ!

「大丈夫だよ。こんなところでは抱いたりしないから。とりあえずここから離れなきゃな」


わたしが怯えたことで満足したのか先生が身を起こした。



「榊を誘き寄せるのに天宮をつかう」


バリッ


きゃああっ!


胸元に両手を伸ばして一気に服を引き裂いた。

もう一度力を入れて先生が服の切れ端を握った。

わたしの髪からも無理矢理にシュシュを抜き、それからさっき落としたバックに、ポケットから取り出した封筒を突っ込んだ。



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