『若恋』榊の恋【完】



「俺のひかる」



乾きつつある髪をすきながら、鼓動が速いひかるを抱き締め静まるのを待つ。




「北海道へ行きましょうか?」

「え?」

「函館にいるひかるの両親に会いに行きませんか?」


余韻を引き摺っていたひかるが腕の中から顔を上げた。


「夏休みですし」

「行きたい!行く!」


即座に返事をしてにっこりと笑った。



「そうですね。行きましょう」





< 329 / 440 >

この作品をシェア

pagetop