『若恋』榊の恋【完】
ひかるのドレス姿が見られると思うと自然と顔が綻んだ。
「ひかるに着せたいですね」
「榊さんのタキシード姿見たいな」
お互いの意見が一致するとすぐに衣装を着替えに部屋へと通された。
タキシードに着替えるのにさほど時間は掛からない。
ひかるの支度が出来るのを待つ間、時間潰しにすぐそばにあったバイオリンに手を伸ばして弾き始める。
昔少しかじった程度だが、髪を夜会巻きにしたひかるがお日様色のドレスを身に付けて現れ感嘆の声を上げた。
「榊さん、すごい!」
化粧を施し大人びたひかるが手を叩いて喜んだ。
「バイオリン弾けるなんてすごーい!」「」
「少しだけですがね。」
「もっと聴きたいな」
「難しいのは弾けませんよ」
ひかるがあまりにも喜ぶので、「星に願いを」を一曲弾いた。
「榊さん、素敵!」