『若恋』榊の恋【完】



「緊急で、」

「わかった。今どこだ?」

「元町です」

「近いな。だったら、こっちに戻ってこれるか?」

「はい」

詳しくは元太の屋敷を覚えてはいないが。
たぶん迷わずには行けるだろう。


「内緒ですごいものを見せてやる」

「―――あ、りがとうございます」


すごいものとはいったいなんなのかわからなかったが、何であれ、なんとか若の元へ行けそうだ。


車をUターンさせて今来たばかりの道を飛ばし戻る。


「ひかる、どうにかなりそうです」

「ほんと?」

「組長が手配してくれるそうです。行きましょう」


急いで組長宅へ引き返すと、すぐに裏手にある広大な屋敷裏に通された。

テニスコート10面分は悠にあるその奥に目を疑うようなものが羽根を広げて飛び立つのを待っていた。




「榊さん、すごい!」







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