『若恋』榊の恋【完】
わたしがその分愛します。
中学生だと。
子供だと思っていたのに、あまりの一途さに息を飲む。
「身代わりでいいから…」
タバコの煙でガードしていたが胸に抱きつかれた感触に。
「子供扱いしないですよ」
コクンと頷いたひかるちゃんを胸の中に納めて顎をすくった。
「わたしは子供扱い本当にしませんよ。わたしの女になるってことはこういうことです」
りおさんの顔がひかるちゃんに重なった。
一度だけそのくちびるに触れたことは地獄の果てまでも持っていく。
「口を開けて」
「…、っ、」
覆い被さるようにして深いキスをする。
りおさんと同じ香りがするひかるちゃんに目眩がする。
身代わりでいいと言われたから、自分は狡いから、りおさんと血の繋がったひかるちゃんを手元に置いておきたいだけだ。