『若恋』榊の恋【完】
闘い
「榊、りおの妹と付き合ってんだってな」
大神物産本社へと若と出た車の中で向こうを向いた若が窓ガラス越しに言った。
「ええ、いけませんか?」
「……いけないというわけじゃないが」
榊がりおの妹とはな。
「…まだキスひとつしかしてませんよ。心配しないでください」
「だったらいいが」
ため息を吐き出した若の気持ちはよくわかる。
若もそうだったが小学生中学生に手を出すと録なことがない。
「あいつを傷つけることは許さないからな」
それがりおさんを指しているのがわかる。
ひかるちゃんとはまだ食事に誘って遊園地に行ったくらいだ。
喜んでもらいたくて若から休みをもらってついこの間にもドライブに出掛けた。
「榊がロリコンだったとわな」
「若には言われたくありません。若だってりおさんをモノにした時には半分強姦だったようなものじゃないですか。ロリコンと同じようなもんです」