『若恋』榊の恋【完】



若が先に立ち、成田は外へ出るのを見送ってくれた。


「榊、めいいっぱい暴れてやれ」


軽くウインクして行ってこいと背中を押す。


若の背中を見て外へ出ると、前広、一也、拓也、みんながいた。
それぞれの車が並んでいる。



「何してる、行くぞ」

「榊、龍神会潰しにいくぜ」

「ひかるちゃんの敵打ちだろ」



若が前広の車の後部座席に乗り込む寸前に「来い」と呼ぶ。



「龍神会の残党は街の外れに巣くうブラックエンジェルの暴走族たまり場にいる」

「あの小さな族ですか?」

「小さな族だからそいつらも利用しやすかったんだろう」

「そこを襲撃する。族には手を出さねえようにして龍神会だけ叩きのめす」

「若いのは逃がすと?」

「ああ、逃がしてやれ。族には族のやり方がある。もし歯向かうようならこっちの族を仕掛けろ」




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