『若恋』榊の恋【完】



「やめとけ。俺たちに構うな。命が惜しかったらそこをどけ」


若が低く唸り一歩前に出ると鉄パイプの群れが一歩下がった。


「下がれ。今ならまだ見逃してやる」


若が眼で合図する。

脇に吊っているホルダーから銃を取り出して天井に向けて一発発射した。

弾は破裂音を響かせて天井から水を滴らせた。



「ブラックエンジェルを龍神会が寄生するのは間違ってる。龍神会を匿う必要もない」



「うるせえ、おい、お前らやっちまえよ」


動揺したまま鉄パイプを手にしたまま近づいてくる輩に銃を向けた。


「邪魔はしないでください。容赦はしません」



龍神会残党を庇うのであればたとえガキでも容赦はしない。

情けを半端に掛けると痛い目をみるのは自分だ。


「やれ!」

「仕方ねえな受けて立つ」



若がため息を吐き出したと同時に、一也に拓也が最前線でひとりずつ投げ飛ばして鉄パイプを取り上げた。

その武器で次々とガキを制圧していく。



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