『若恋』榊の恋【完】
一也に拓也、前広が更に加わり十数人は倒し圧倒的に強い3人を目の前にして、残りの族は向かってくるのを躊躇した。
「もうよせ。わかってるだろう?俺らはおまえたちは歯向かいさえしなければ何もしない。龍神会残党を引き渡してくれればそれでいい」
そう若が告げるとひとり、そしてひとりと鉄パイプを床に放り投げた。
「あいつらは二階だ」
リーダー格だろうか。
まだ18歳くらいのガタイのいい男が進み出て顎で二階を差した。
「特別にはあいつらに義理はねえしな」
「てめえ!俺を売りやがったな!」
怒声が響いた。二階から胡座を掻きながら高見の見物をしていた男が叫んだ。
「俺らはあんたらみたいに女をイタズラしようとする趣味はねえ」
「ちっ、」
吐き捨てるように舌打ちして吸っていたタバコを投げ捨てた。
「あいつらを連れてけよ」