『若恋』榊の恋【完】
「二万五千トン岸壁なら開けておくぞ」
「若、」
「好きなようにやれ。コンクリート詰めでもいい。そいつらも詰めとくか?」
ちらりと残りの奴等を見ると何も言えずに震えてる。
「もちろんみんなまとめて生きたまま岸壁に吊るしますよ。コンクリート詰めは邪道です」
「だ、そうだ。聞いたか?おまえらは運が悪かったと諦めるんだな。
俺も家族がこんな目にあって黙ってられねえからな。容赦はしねぇ」
若も口調は冷静だが怒っている。
ここで見逃せばまた同じことが起きる。
家族を守るには根絶やしするのが一番だ。
「一也、そこに転がってる3人を裸にしておけ」
若が命じた。
「拓也、後のふたりも同様に裸にして縛り上げてください」
自分も命じる。
「二万五千トン岸壁に移動する。行くぞ」
「留守番してる毅に連絡しておきましょう。岸壁に誰も近づけるなと」