『若恋』榊の恋【完】



「榊さんのわからず屋」


「りおさん」


「ひかるの気持ちをまるでわかってない。もういい」

半泣きしながらりおさんが席を立った。


「榊さん、ひかるにこれから先もう近づかないで」


「!」


「ひかるにはうまく言うから、だからもうひかるには近づかないで」




ベソを掻きながらりおさんが一階のテラスを出ていく。





―――ひかるにはもう近づかないで。





まるで死刑宣告のように胸に刺さった。






< 90 / 440 >

この作品をシェア

pagetop