Gleam -ドリームキャスト!-
何秒かそうしていたが、彼女はそのままそっと微笑むと

「ありがとう」

目を閉じた。

「ユナ・・・ユナーッ!」

カズアの瞳から悲しみの雫がこぼれ落ちた。

頬から膝に落ちた、力の入らない腕。
だんだん体が冷たくなっていくのを感じた。
もうその笑い声を聞くことはできないんだ。

カズアの思考を、全身を、絶望が支配する。


その光景をバルトとエリサは直視できなかった。

治癒能力があるのに肝心なときに使えない、とてつもない無力感はきっとカズア以上であったと思う。


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