Gleam -ドリームキャスト!-
震える足でゆっくり近寄っていく。

それまでに消えてしまうのではないかとも思ったが、エリサはきちんと正面に来るまでバルトのことを見つめていてくれた。

バルトはその手をつなごうとしたが、触れることなく、すっと空を切る。

悔しさと切なさからバルトは眉をひそめた。
が、エリサはずっとバルトを見上げていた。

ずっと、ずっと・・・。

「ああ、分かった。俺は、お前に助けてもらったこの体で、自分のできることをするさ!
 足元を狂わせてはいけない・・・お前は失ってしまったけど、俺は、守るべき人たちを守る!」

エリサはにっこり微笑んだ。

いつもの、えくぼのある可愛らしい、あどけない顔で。
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