Gleam -ドリームキャスト!-
「行くぞ!」

カズアは立ち上がったが、バルトは裾を掴む。

「いま出ていったら危険だ!
 いくら海賊だって余計な人殺しまではしないはず、あいつが抵抗しなければ何もしないだろうし、もし争いになってもユナは負けない!」

「そ、そうだね、お宝がいっぱいある部屋あったし・・・大丈夫。
 そこ見つけたら、きっとユナにかまわず」

「そんな根拠どこにもない!」

カズアは言葉を並べて懸命に説得するバルトを振り払うと、扉に手をかけた。もう一度引っ張ってきたのも払いのける。
それをエリサは呼吸するのももどかしく見ていた。

カズアの気持ちも痛いほど分かるが、二人も同じ思いだったが、いま飛び出すのは得策ではなかった。状況が悪化するのが見えている。

しかし混乱したカズアは二人に耳を貸さなかった。
< 85 / 186 >

この作品をシェア

pagetop