迷路の扉
第1章-出会い
私は滝本花凛、高2。
両親は離婚し父親に引き取られた。姉が滝本花純、大学1年。
「かーりーんー、もう8時だけど?」
「…学校行ってくる」
「弁当はー?」
「コンビニで買う」
「いってらっしゃーい」
家の外。それは憂鬱な場所。
お姉ちゃんと2人なら楽なのにな。
お父さんはほとんど家に帰ってはこない。どこにいるかはあたしたちは知らないし、聞かない。
ううん、聞きたくもないんだよね。