七色ライラック
サク女までだって駅から少し歩かないといけない。
俺が今から電車に乗ったってギリギリなんだから、彼女は遅刻確定だろう。
俺の学校と違って彼女はサク女だ。遅刻一つでも全然意味が違うはず。
悪気はなかったにしろ結果がこれじゃあ申し訳なさ過ぎる。
そう思ってガシガシと右手で頭を掻いた。
でも
「私、学校サボったの初めてです」
そう言って恥ずかしそうに笑った彼女。
ドキドキしますね、なんて笑ってるけどその笑顔に俺のほうがドキドキだ。
(かわいい…)
あぁもう…俺このまま死ぬんじゃないだろうか。
本気でそんなことを思う。
そう思うくらい緊張してるんだよ。
道端の花も見上げる空も、何気ない公園の風景も。
全部色鮮やかに見える。